中学校不登校から定時制高校へ(D君つづき)

こんにちは。
こころのそえぎ(福本早穂)です。



中学に入学後まもなく
先生からクラス委員に指名された
D君は、
クラスをうまくまとめるよう言われる先生と
協力的でないクラスメイトたちの
板挟みになり、だんだん
学校に行きづらくなっていき、
とうとう完全不登校に。


そんなD君のその後です。


D君は、だれにも会わないように
外に出なくなり、
日中でも部屋のカーテンもしめきったままでした。


でも、お母さんは休みの日には、
近所の人に会わなくても済む
遠くのスーパーにD君を買い物に誘ってくれました。


お父さんも、
日曜日になると
家族で食事に誘ってくれました。


最初のうちは、それでもD君は家から出たくなくて、
一緒に行くことはありませんでしたが、
お父さんもお母さんも
そんなD君を受け入れて、
無理に連れ出そうとはしませんでした。


「葛藤期」からゲーム、動画を
長時間するようになる子どもが多いですが、
D君も、ゲームばかりするようになっていました。
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でも、保育園のころから仲良しの友だちが 
遊びに来てくれると、
楽しそうに一緒に遊んでいました。


学校を意識させられる友だちは、
登校刺激になってつらいですが、
幼馴染は、そういう存在ではありません。


ずっと続けていたピアノも
まったく弾かなくなったので、
お母さんは悲しそうでしたが、
勉強やピアノに向かうには、
エネルギーがなくなって
しまっていたのです。


<安定期にエネルギーが貯まる>

D君は昼夜逆転して、
家にいることが
日常生活になってきたころ、
ある日
お母さんが仕事から帰ってくると、
家の中から
ピアノの音が聞こえてきました。

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「あら、ピアノ弾いてるの」
と声をかけると、
D君は、
「これ、もっと弾けてたんだけどな、
また練習しないとな」
と言ってまた弾き始めました。


久しぶりにピアノのレッスンに行くと、
先生は、学校のことは何にもふれず、
「よく来たね。
また弾く気になってよかった」と
喜んでくれました。


それからは、
D君は ピアノに熱中するようになりました。
先生は、ほかの生徒が来ていない時間帯に
レッスンをしてくれるなど、
D君がレッスンに来やすいように
配慮してくれました。

<進路選択の時期>

中3になってもD君は
学校に行くことができませんでした。


夏休みに入り、同級生たちが
高校見学会に行き始めました。


幼馴染の友だちが、
D君を一緒に行こうと
誘ってくれましたが
なんとなく気後れして
D君は、それも行きませんでした。


ピアノは相変わらず、
ますます熱心に弾いていました。
お母さんは、進路選択のつらさから
逃げているようにしかみえませんでした。

でも、そのピアノも
行き詰まりを感じて
家でいらいらする毎日が続いていました。


そんなとき、レッスンにいくと、
とりとめもなくおしゃべりをして
帰ってくる日もありましたが、
先生はそんなD君の 話し相手に
なってくれました。


<定時制高校との出会い>

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秋の三者面談を控えて、
お母さんは「不登校の親の会」で、
定時制高校を卒業して
大学進学した人の話を
聴く機会がありました。


お母さんはD君に、その話をすると、
とても興味を持ちました。
夜の学校なら
昼間ピアノを練習できると思ったのです。


D君はお母さんと一緒に
定時制高校の説明会に行くと、
少人数の参加者が輪になって座り、
先生方が同じ座に座って、
説明してくださいました。


お母さんによると、

中学校や全日制高校とちがい、
定時制高校には、
成人や先生より年上の生徒もいるので、
先生の生徒に対する目線が
上から目線ではなく、
対等な感じがしたと言います。


また、勉強だけでなく、
生徒の生活全般に目を配っている
意識のちがいも感じました。


D君は、その学校の空気が
肌にあう感じがしたので、
定時制高校への進学を決めました。


<定時制高校に入学して>
中学のあいだ、
ほとんど学校の勉強はしていませんでしたが、
入学後、中学の復習をするクラスがあり、
困ることはありませんでした。


D君は、生徒会にも立候補して
役員として活躍し、
友だちもたくさんできました。




一般に
不登校になる前の
クラスの雰囲気を想起させられるのか、
不登校の経験があると、
同年代が苦手になる子どもが多いです。


同年代ばかりだと、
息が詰まる感じがするけれど、
定時制高校には、
60代のおじさんもいて、
さまざまな人生経験をしてきた人たち
がいるので、D君も
楽になれたようです。


また、高年齢の人が
熱心に授業を受けている姿は
よい刺激になるのでしょう。


遠方ですと、帰宅時間が遅いので、
通学しにくいかもしれませんが、
実際に通うようになったときを、
イメージしてみて、
ここならこれそう
と子ども本人が思えたら、
通えるようです。

D君のように、
自分の好きなことやりたいことのために、
夜の学校を選ぶのも、
主体的な良い選択ですね。


進路選択に迷ったら、
色々な不登校の子どもの進路先を知っている
相談先や
親の会に行き、
先輩たちの話を聞いて、
情報を得ておかれるといいと思います。



福本早穂の不登校ひきこもり相談室
「こころのそえぎ」にも 
ご相談ください。




(*D君の例は、複数の相談事例をもとにしたイメージです。)


<関連記事>
不登校の回復段階シリーズを
お読みいただくと、
D君の回復過程がより理解できます。









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